3/27 オープンスクール
東京は何でもある
地方には圧倒的なものがある

食の熱中小学校には座学6回、実習ツアー11本が用意されています。昨年、私は「アメリカや欧州圏のような美味しいものを食べに出かけたいんです」というお誘いを受けたんですが、インバウンド向けに訪日旅行する人たちは日本のおいしいものを体験したいと考えている。その逆だなあと感じました。地方がある、地方をもっと盛り上げるために旅を使いましょうと思ったのです。ものすごいものが地方にはあるんですね。それぞれのものをカァっと輝かせると、神社仏閣や人間力みたいな要素に目を向ける旅もある。そこで美食を極める旅もあるかもしれない。それぞれの興味やライフスタイルに特化した旅を、自分の生活に紐づける形で拡張できたらいいですね。
有名なシェフの料理を堪能するために東京に行くのもいいですが、地方には圧倒的な自然やそこで磨かれてきた知恵があります。築地や豊洲に行けば一流レストランの素材が揃うのかもしれませんが、漁師さんの漁に同行して、自分で捕った魚をいただく。骨付き肉を熟成しておいしく仕上げる。その場その場に職人や漁師さんなど、匠の知恵が生きています。
コロナ禍で世界中の往来がストップした時、アフターコロナに行きたい場所はどこだろうと考えました。それは生まれ変わった日本にもあるんじゃないかと。コロナ後には海外の人に「こんな希望に満ちた場所があるんだぞ」と伝えたいし、神話や歴史を知って相互理解を深めてほしい。東京や京都は世界中で知られていますが、それ以外にもまだまだ多様な地方があります。70歳を超えた方の「こういう暮らし方もあるよ」といった物語に触れることで新しい発見もあります。それを世界にも広めたいんです。
私が昨年参加したのは和歌山県のすさみ町で行われた実習ツアー。串本や勝浦は日本一のマグロ漁港とも言われる南紀のエリアで、1日目は「イノブタ」の飼育現場を見学し、学びになりました。また、漁業と絡めた地域ビールなども面白かったですね。2日目は朝5時半から船に乗り、しらすなどを仕入れる漁を体験。伊勢海老などたくさんの海の幸が獲れまして、小さな市場にも足を運びました。日本だからこそできる“食”の尊さを実感しました。
3日目は台風避難勧告が出ていたので、70歳を超えた方がカートに乗って暮らしを楽しむという状況を見に行きました。東京には何でもあるけれど、地方には圧倒的なものがある。キャビアやフォアグラもいいんだけど、地方ならではの特別なものに出会えるのはワクワクしますよね。
食の熱中小学校はそんな豊かな世界に引き連れていこうとしています。まずは姉妹校があるシアトルで海外にも学びの場を広げ、皆さんと一緒に盛り上げていきたいと考えています。

授業後のお楽しみ!給食の時間
隔月で授業後には地方の特産品などがお楽しみいただける給食を提供します。3月のオープンスクールでは、実習予定先の宮崎、高知、和歌山から届けられた食材が並びました。
