食熱通信 vol.7

 早いもので第2期の最終回を終えました。食を軸に日本各地をつなぎ、多角的視点で学ぶ授業はいかがでしたか。今期はとくに地方創生の具体例を知る授業から大いに刺激をいただいたように思います。また新たな試みとして課外授業「熱中美食倶楽部」も発足し、たくさんの皆さんと料理することを楽しみました。10月30日に開講となる第3期はさらに個性的な講師陣が揃い、現地ツアーも続々と発表になっています。第3期もぜひご一緒しましょう。

教頭 綛谷久美

【第3期生】募集中!締め切り間近
第3期プログラム継続の申し込みはお済みでしょうか?新たな仲間たちと共に学び、成長できる貴重なチャンスです。応募締め切りが迫っているため、興味のある方は早めの申込みをお勧めします。私たちのプログラムでは、実践的な知識やスキルを身につけることができるだけでなく、素晴らしいネットワークを築くこともできます。あなたの参加を心よりお待ちしております!

*ご友人お知りあいへも是非ご案内ください*                                 第3期:2024年10月~2025年3月                               講師紹介と日程は→こちらから                               
募集要項と申し込みは→こちらから                                                                    

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【近隣イベントのご案内】食の熱中小学校特別企画                             11月9日:高台庭園での Garden Party 文化祭開催!                             詳細及びお申込みは→こちらから 

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座学:9月25日(水)19時   3X3 Lab Future

講師:ピーター・バラカン先生 ラジオDJ、ブロードキャスター 

テーマ:「食を巡る音楽の味わい方」           

何度かいろいろな場所の熱中小学校で授業をやってきました。熱中小学校に来ると「先生」になってしまうのがいつになっても慣れないですが、、、授業と言ってもゆるーく音楽をお聴かせするという、そんな感じですのでどうぞよろしくお願いいたします。

今日は、食に関係するいろいろな音楽を聞いていただこうと思います。広い会場なので映像があった方がいいと思いまして、YouTubeのプレイリストを用意しました。

まず1曲目はロバート・ジョンソンという、戦前のミシシッピの伝説のブルーズ・シンガーの『Come On In My Kitchen』という、私の大好きな曲を聴いてください。(🎵〜) 外は雨だからどうぞ私のキッチンに入ってください、という歌詞ですけど、これは食事を提供しようというわけではなくて実は女性を誘っている曲です。

彼は1930年代の半ばに、全部で30曲ほど録音を残しましたが、20代の後半の1938年にかなり怪しい状況で亡くなっています。この写真は本人です。指が長くて道理でギターが上手い。他にもスーツを着た写真が1枚ありますが、ルックスが良いので女性にもてたらしいです。ミシシッピの片田舎に住み、いろいろな場所に移動してそこでブルーズを歌う。すると女性たちが魅了されて、彼氏がいようがお構いなしに気に入った女性と付き合うわけです。それで男達に嫌われ、ある時毒を盛られて死んでしまったようです。当時アメリカ南部でそこそこ売れた曲もあったものの、ほとんど知られていませんでしたが、ジョン・ハモンドというレコード・プロデューサーがニューヨークのカーネギーホールで『From Spirituals to Swing』というコンサートを企画し、その中でこの南部の素朴なカントリー・ブルーズの代表にこのロバート・ジョンソンをブッキングしようとしました。スピリチュアルはいわゆる黒人霊歌、つまりブラック・ミュージックの最初の形、スウィングは1938年当時最先端の音楽ですから、ブラック・ミュージックの最初から最新までのすべてを二晩でカーネギー・ホールの舞台で紹介するというコンサートでした。ところがその開催直前に彼が死んでいたことがわかり、結局別のミュージシャンを立てました。

ジョン・ハモンドは当時からロバート・ジョンソンに注目していたのでしょう。ロバート・ジョンソンの16曲を1枚のLPにして1960年代初頭に発売しました。すぐには注目されませんでしたが、そのうちにエリック・クラプトンやローリング・ストーンズが彼の曲を取り上げ始め、イギリスを中心に徐々に評判になっていき、彼の人生を書いた本を出す人も出てきて、無名だったミュージシャンが伝説になっていったわけですね。

90年ぐらい前の音楽なので何て歌っているのかほとんどわからないですよね。僕も最初聞いたときは一生懸命聞いてもなかなか聞き取れなかった。でも好きになって何度も聴いているうちにわかってきました。そしてとにかくギターも抜群に上手い人でした。

キッチンから始まり、次は食事の最初ということでスープかなと思いまして、まるっきり違うタイプの音楽になりますが、10cc(テンシーシー)という、イギリスの一風変わったポップ・グループの『Life Is A Minestrone』(この人生はミネストローネ)、という曲をお聴かせします。この歌、スタジオからの帰り道に赤信号で止まった時、隣の車の人の話声が耳に入ってきて、空耳で「人生はミネストローネ」と聞こえたらしい。本当は全然違っていたみたいですが。そんな可笑しい曲です。(🎵〜)かなり変わってますよね。人生はパルメザン・チーズをかけたミネストローネのようなもの、逆に死は冷凍された冷たいラザニア、、って訳がわからない(笑)。一時期はかなり人気があってこの曲もそこそこヒットしたものでした。

さて、次は食材を一つ取り上げます。野菜のオクラです。正に『Okra』というタイトルの曲です。オル・ダラという、この人もほとんど知られていない、渋い存在のミュージシャンです。この曲が入っている『In the World』というアルバムをたまたま聞いて、ものすごく気に入りました。ジャケット写真ではギターを抱えていて、ソファにはトランペットが置かれています。70年代ぐらいから、ニューヨークのソーホーなどで展開されていたロフト・ジャズという動きがあって、彼はその中でトランペットを吹いていましたが、このアルバムでは歌ったりギターを弾いたりしています。オクラはもともとアフリカの野菜ですよね。アフリカの人たちが拉致されて奴隷としてアメリカに連れられた時、オクラは貴重だからと種を耳の中に入れてまで持っていったという話もあります。アメリカでオクラを使った料理というと、ニューオーリンズのガンボですね。これはもうオクラがないと始まらない。あのとろみもオクラならでは。この曲は熱帯の市場みたいな場所で、しゃべりながらイチゴやスイカやら野菜を売り歩いていてその中にオクラもある、そんな光景の、素敵な曲です。(🎵〜)

この人はすごく面白いミュージシャンで、基本的に何でも即興の方で、来日した時にインタヴューをしたのですが、録音をする時までまったく何も決めず、スタジオに入ってミュージシャンと一緒に演奏し始めた途端、もう適当にどんどん歌詞が出てくるという方でした。ライヴもすごく魅力的で、当時の歳は六十ぐらいなのですがかなりの色男で、会場中の女性がファンになっていました。あれから20年は経っているのでもう八十を過ぎていると思います。ミシシッピー生まれでその後ずっとニューヨークに住み、7年ほど海軍に在籍して全世界を廻った時にいろいろな音楽を聴いたそうで、それが自分の音楽に影響しているそうです。だからアメリカのミュージシャンなのにカリブ海の雰囲気やアフリカの雰囲気などいろいろ混ざっていてとても面白い音楽性です。

次はニューオーリンズのガンボではなく日本のガンボ、細野晴臣の『Roochoo Gumbo』です。ルーチューというのは琉球のことで、彼が70年代に出したアルバムの中の1曲です。この演奏は今から5年前にロサンジェレスのコンサートをやった時に歌ったヴァージョンです。(🎵〜)

僕は1974年に日本に来たのですが、ちょうど細野晴臣がソロ・アルバムを出していた頃で、すごく僕の性に合っていました。日本でこういうタイプの音楽は、当時は細野晴臣ぐらいしかいなかったと思います。あと久保田麻琴という人が夕焼け楽団をやっていて二人とも友達でした。今聞いてもとても懐かしいですね。ところでガンボという料理は日本にも作る人はいますが味はまちまちですね。ニューオーリンズのガンボは独特の味がしまして、もちろんオクラは必須なんですが、フィレというのが入っていて、これが何なのか未だによくわかっていないんですが、どうやら日本では入れちゃいけない何かがあるみたいです。だから日本で食べるガンボは大抵フィレは入ってない。麻薬とかそういうものではないと思うんですが、それが入るときっとさらに良くなるはずなんですよね。

手前味噌ですけど、僕が監修している「ライヴ・マジック」という音楽フェスティヴァルが10月19日にあります。今年で十周年、かつ最終回になるんですが、毎回江古田駅の近くにあるお店の、ガンボを得意としている重実悠哉さんという方にガンボを作ってもらっていて、これがすごく美味しいんです。これが食べられるのでぜひこの音楽フェスティヴァルに来ていただければと思います。彼のガンボ、本当にうまいです。

では、ソウル・フードの類でもう一つ続けます。ケニー・バレルというジャズ・ギタリストの『チトリンズ・コン・カルネ』、これも好きな曲です。本当の料理の名前はチリ・コン・カルネですよね。日本ではチリコンカンとも言いますね。カルネというのは肉という意味です。チリはチリ・ビーンズのことで、インゲン豆かな。ちょっと辛くてとてもコクがあって美味しい料理ですよね。ケニー・バレルは ”チリ” を ”チトリンズ” にしました。チトリンというのは豚の内臓です。アメリカ南部の貧しい黒人の人たちは、豚のおいしい部位は白人が取ってしまうから食べられなくて、残った部分はだいたい内臓。それをモツ煮込みみたいにして食べていました。そんな名前の、とてもかっこいい曲です。(🎵〜)

この青いジャケットのEの文字のところに小さく「BLUE NOTE」という文字が書かれていますね。BLUE NOTEは今やジャズの世界では伝説となった、今もあるレコード会社です。最盛期は50年代、60年代で、始まりはナチスを逃れてアメリカに移民した、創設者のアルフレッド・ライオンと彼の友達のフランシス・ウルフというユダヤ系の男性2人が立ち上げた会社でした。最初レコードのプロデューサーはアルフレッド、フランシスはミュージシャンの写真を撮影していたのですが、これが絶妙に素晴らしい写真ばかりだったんです。このジャケットのケニー・バレルの写真はかなり小さいですが、BLUE NOTEのジャケットは白黒でかなり明りの強い、黒バックの独特のタッチのものが多いですね。そしてまた、このグラフィックの素晴らしさ。リード・マイルズというデザイナーが制作チームに入ってから、それまでのレコード界では誰もやっていなかったような本当にかっこいいレコード・ジャケットを沢山作りました。そうしてBLUE NOTEは、音もいい、演奏もいい、そしてデザインも素晴らしいということでジャズ愛好家の間でとても愛されました。ただ、この曲こそ60年代にヒットして有名ですが、その一方でまるっきり売れなかったアルバムもたくさんあります。そんな話を聞くと、創立1939年からよく25年も続いたなあと思います。

BLUE NOTEのドキュメンタリー映画があります。実はつい先日までやっていた僕の音楽映画祭『Peter Barakan’s Music Film Festival』のアンコール上映で、10/11から10/24までシネマート新宿で上映します。全部で7作品が上映される中にジャズのものが2つあって、その一つはこのBLUE NOTEのドキュメンタリー映画です。この会社がどのようにできてどのように運営されていったかがわかる、すごく面白い映画です。もう一つヨーロッパのジャズに関する映画もあります。1日1本だけ上映します。面白いのでもしお時間があればぜひご覧いただければと思います。

さて次はお魚の歌です。『Fishin’ Blues』という大好きな曲があります。オリジナルは1920年代にテクサスのヘンリー・トマスという人が歌っていました。それをいろいろな人達がアレンジして、僕が最初に聞いたのが60年代半ばのラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonful)というフォーク・ロック・グループのデビュー・アルバムに収録されている、今日お聴かせするヴァージョンです。(🎵〜)

餌さえ間違えなければどんな魚だって食いついてくる。俺は釣りに出かけるから君も一緒にどうぞ、といった歌詞ですけど、これも『Come On In My Kitchen』と同様、本当は女性を誘っている曲ですね。

魚に関してもう1つ、ご機嫌な曲をご紹介します。サックス奏者でありヴォーカリストのルイ・ジョーダンは、1940年代後半終戦直後から50年代にかけてアメリカのブラック・ミュージックの世界でものすごく影響力のあった人です。30年代には、大編成のスウィング・ジャズが圧倒的な人気があったのですが、第二次世界大戦が始まり多くの男たちが戦争に行ったためにビッグ・バンドの維持が難しくなりました。そして戦争が終わりビッグ・バンドの時代もほぼ終わりました。代わりに、スウィングするけれど小編成のコンボ・アンサンブルでの演奏が出てきてジャンプ・ブルーズなどと呼ばれるようになるのですが、その中でルイ・ジョーダンはとても人気がありました。聞いていただくのは『Saturday Night Fish Fry』という曲です。貧しい人達のコミュニティでは家賃を払えない人が出てくるのですが、その家賃を募ろうと今だとクラウドファンディングなんでしょうけど当時だとパーティーを開くわけです。皆で集まって少しだけ入場料を払って、Fish Fryつまり魚のフライをたらふく食べて、集まったお金で困っている人の家賃を払う、ということがよくあったようです。そのパーティーの様子を描いたとても愉快な曲です。聴いてください。(🎵〜)

この映像は60年代のテクサスのTV番組で、バックはその番組のハウス・バンドですが、ルイ・ジョーダン自身はティンパニ・ファイヴというバンドを結成してやっていました。この曲で歌っているパーティーはとにかく皆大盛り上がり、大騒ぎでうるさいので誰かが警察に通報したんでしょう、連れて行かれて刑務所で過ごさなきゃいけなくなった。それでもう魚なんて聞きたくもないっていうオチです。ほとんどラップに近いですね。あの時代にすでにラップの要素ができていたんだなということがよくわかる音楽です。

では終わりに近いので、そろそろ飲み物です。70年代にすごく人気のあった、ウォーというグループの『Spill the Wine』という曲です。元イギリスのジ・アニマルズというグループのリード・ヴォーカルだったエリック・バードンが彼らを発掘して組んだのが出発点です。1970年代にヒットした、これまたパーティーの様子を描いたすごくかっこいい曲です。(🎵〜)この映像は、『Beat Club』という、ちょっとハイパーな感じのカメラ・ワークをするドイツのTV番組に出演したときのものですね。エリック・バードンは間もなく脱退して、その後はウォーだけで活動していきます。ヒット曲も多く、本当にご機嫌なグループでした。

では最後にデザートです。僕の大好きなスコットランドのグループ「アヴェレッジ・ワイト・バンド」(Average White Band)、直訳すると “平均的な白人バンド” という、非常にファンキーなグループです。その彼らが1970年代に出した『Cut The Cake』、ケーキをカットしようよという曲がありますので聴いてください。(🎵〜)スコットランドからこんなファンキーなバンドが出てくるんだなあと思ったものです。本当に大好きなグループです。

まだまだお聴かせしたいところですが、また別の折にということで、今日はどうもありがとうございました。

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現地実習レポート:食の熱中小学校教頭 綛谷(かせや)久美

食の熱中小学校「ローカルな食文化と魚に出会う第2弾!」「どっぷり高知旅」

9月21日(土)〜23日(月)、シルバーウィークのシメとなる3連休に、四国は高知県、須崎市から仁淀川周辺をじっくり堪能する現地ツアーに出かけてきました。*ツアーの様子はYouTubeで https://youtu.be/p-blFT20Eds

私にとって高知への旅は、2023年6月に続いて2度目。このときは、高知市名物ひろめ市場と日曜市、そして高知城を楽しんだだけのいわゆる観光旅行だったのですが、それだけでも「また行きたい高知」になっていました。食のおいしさ、人々の人懐こさ、ほがらかさ、町のまとまり。すべてが好ましく思えたのです。

当日は、気温33度のものすごい夏日、前日までの不穏な天気はどこへやら高知の空、いきなりテンション上がりまくり(夏女ゆえ)。高知龍馬空港で出迎えてくださったツアー企画の黒笹滋幾さんの日焼けしたお顔が頼もしい。

海釣りに出るための船がある須崎へ向かう道中、黒笹さんによる的確な「高知を知る基礎解説」は非常に勉強になりました。車窓から望む右手の山々、左手に河口やら港やらが次々に姿を現します。同乗の参加者は初高知、私だって2回目の初心者ですので、いやが上にもこれから過ごす3日間への期待値が高まります。

画像にある通り、3日間のうち2日間のメインが釣り。海釣りと川釣りです。同時にふたつが体験できるのも旅行者としてはうれしいです。当然食事も旬のものばかり。ちょうどお彼岸で、あちこちに咲く彼岸花が美しく彩る里山は、まさに日本人が求める郷愁そのもの。力いっぱいおもてなししてくださる高知の皆さんの気持ちにこちらまで熱くなります。

話が前後しますが、食の熱中小学校が企画しているツアーというのは、旅行会社や自治体観光局が企画したものとは一線を画すものだと思っています。

そこに住んで働いて、食べて寝ている人たちが親しい友人を迎えるように迎えてくれるというだけでなく、お互いの価値を持ち寄ってすり合わせる、マッチング機会が得られる、と考えるとしっくりくるものです。

いわゆる観光ツアーの「行ってよかった、おいしかったねー、また行きたい」ではありません。昨年私が還暦夫と行った高知はまさに、ソレ。単なる熟年ほっこり旅でした。

そうではなくて食熱現地ツアーとは、

①その土地に生まれ育ち、土地を愛している人たちと深く知り合う機会

②その土地の風土、歴史的成り立ち、経済、美食を体感し刺激を受ける機会

③参加者自身が①と②を、自分のビジネスや、家族を含むコミュニティにつなげる機会

…が得られる体験であると私は考えています。

深く知るから応援したくなるし、また来たくなる、なんか一緒にできないかと自然に思考が働きます。高知のために、とつい動いてしまっている私、すでにけっこうなメールのやり取りをしています(笑)。

そうして食の熱中小学校が企画する他のツアーをあらためて眺めてみると、生粋の現地育ちの方たちだけでなく、都会と現地との違いをよく知る人が企画しつなぎ役を買って出てくださっているのが大きな特徴であるのがわかります。利益優先の観光ツアーではないので、知ってほしい、つながりたいが先に立ちます。そうした気持ちを受け取るか否かで「お値段以上」の体験ができるかどうかにわかれます。

今回の高知ツアーに話を戻すと、迎え入れてくださる高知側のメンバーがすごい。定年退職後、家族を伴って高知に移住した黒笹滋幾さんと、須崎に生まれ育ち須崎を心から愛する松田健さん、豊後彰彦さん、そして岡崎将士さんががっつり高知を知る機会をつくってくださいました。

現地の本音があって、そこを客観的に評価し伝えてくれる人がいる高知ツアー。移動中に、食事しながら呑みながら、あらためて聞く高知の現状と秘めたポテンシャルはすごいです。この時季にしか体験できない海釣りだけでなく、画像で紹介している仁淀川の美しさ、豊かさ、出会う人々には心がぐわんぐわんと動かされました。

この素晴らしさを伝えたい、何かにつなげたい、でもこのまま秘境でいてほしい、そんな矛盾した気持ちに苛まれるほど。でも、こんなに心が動く体験ってそうないと思います。早くも第3弾が楽しみで仕方がない私です。ぜひ皆さんも体験に出かけてください!

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現地実習レポートその2

立野 剛超(たちの こうき)さん 第二期生(第三期も継続されます

■参加ツアー:福井県坂井市 2024年9月20日(金)~9月22日(日) 2泊3日               

「豊穣のめぐみ食材魅力ツアー」

■参加しての感想:

坂井市という都市名を知らず、ツアーの内容を読んで、三国町の食材を楽しむために参加しました。ここでは、食を中心に感想を残してみます。

初日は、越前料理のお店でランチ。地場のお刺身(甘えび、しめ鯖、ズワイガニ等)と名物のソースカツが出てきたので、最初から満足のお食事でした。

ランチ後は、坂井市龍翔博物館、観光名所である東尋坊を巡り、その後は、東尋坊から近場にある安島漁港にて、海女さんの漁業組合を訪問しました。

そこで、海女さんのサザエ収穫の実演を見学し、3人の海女さんと交流しながら、先ほど収穫したてのサザエや、海の幸を焼いて食べるというプランでした。

ベテランの海女さんのお話は、海女さんになってベテランになるまでのお話や、昔と今の違いなどを、楽しく伺いました。他の海女さん以上に多くの収穫ができるようになるまでの苦労話も納得しながら、いくつもの海の幸BBQを楽しみました。

目の前で獲れたてのサザエは、少しだけ火を通し、お醤油を垂らすだけで最高の味わいとなります。潮の香りも、スパイスとなり、美味しさが増します。

なんと、海女さんの一人が、自家製ところてんを持参していただき、目の前で絞り出してくれました。まさに、新鮮そのもの。海の幸をいろいろな方法で、楽しめると実感できました。

また、他の食材としては、三国港で上がる甘えびや、若狭牛などがありました。

地元の人が食べている食材は、素朴で美味しく、最高の贅沢だと認識した一時でした。

2日目は、早朝から、一本釣り漁船に乗る予定でしたが、天候不順により中止となりました。

残念ですが、安全のためには致し方ないですね。

代替案として、越前松島水族館に行き、松原館長から案内していただきました。この水族館には、国内初の「みずだこ館」があり、ミズダコの産卵について学ぶことができました。

意外にも生体が解明されてないミズダコの産卵などの貴重な展示を鑑賞でき、ここでは先端の研究が進んでいる様でした。

昼食イベントとして、地元で活躍されている料理研究家の武井ちひろ先生と、一緒に、お料理体験がありました。参加者全員でスーパーマーケットに行き、ちひろ先生と一緒に地元のお魚を選んで、購入しました。土地土地にあるスーパーマーケットは、見たことないお魚や、食材の宝庫で、最高に楽しい時間です。購入したたくさんの食材をもって、近くの三国コミュニティセンターの調理室に行きます。先生の指示により、皆で手分けしてお魚をさばき、盛りつけたり、煮たり、唐揚げにしたりと、なんとか完成しました。様々な食材を使って、地域の家庭料理を堪能ができる時間となりました。

その後は、三国の昔から栄えている町中の散策を、現地ボランティアガイドさんと一緒に楽しみました。

三国にて、地域発展の事業をしているUDCSアーバンデザインセンター坂井の方との意見交換は、今後のビジネス交流に結び付く可能性ある時間でした。

地域柄、全国へアピールできるコンテンツとしては、食に関連することが多いですが、地域にはそれ以外の特徴もあり、試行錯誤で、町の魅力度を上げていく様は、道のり険しくも楽しく、やりがいのある仕事だと思いました。

夕食は、地元食材を堪能できるイタリアンレストランをアレンジしていただきました。

地元を愛するシェフの作る一皿は、楽しく、会話を盛り上げてくれました。

3日目は、三国港市場にて、人気の三国港食堂で朝食。市場での朝一も楽しい買い物の時間です。

その後、丸岡町に移動しました。丸岡城をバスで通過して、久保田酒造に到着しました。この蔵は、越前丸岡藩主から久保田家に下された命で始まったのが約270年前とのこと。歴史のある蔵です。ここでの滞在は、当主による説明をいただき、日本酒作りの奥深さを学ぶ一時でした。非公開ですが、地元出身の漫画家、故西ゆうじさんが愛した蔵で、漫画やドラマになった「蔵の宿」の舞台だったと聞きました。

酒蔵を後にして向かったのが、江戸時代初期に建てられた福井県内最古の茅葺民家「千古の家」訪問です。ここが、今回のツアー最後のイベントです。

茅葺拭きの古民家には、囲炉裏があり、薪と火遊びしながら、お茶を飲む時間は優雅なものです。最後の昼食として、この民家の中で、山菜ベースの地元料理をいただきました。いわゆるお祖母ちゃん宅のお料理で、癒される空間の中で、満足の高い最後のお食事となりました。

これにて無事に、二泊三日の予定終了です。

食の熱中小学校のツアーは、最終日に少し時間がありました。早く帰るのも良し、精力的に追加の観光や美味しい食事を楽しむこともできる、とても楽しい企画だと実感しました。

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事務局より:

 いよいよ第3期の始まりです。先日行いました総合アンケート(ご協力ありがとうございました!)によると、このプログラムは参加した多くの皆さまから支持いただいていることを再認識しました。特に現地ツアーに参加された方からの満足度が高かった一方、よりハードル低く参加できる近隣のツアーや、日程、参加費の見直しなどがもとめられていました。この結果を真摯に受け止め、さらに良いものに改善を加えてまいります。だい3期もよろしくお願いいたします!

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「熱中通信第4号」発行:食の熱中小学校事務局(一般社団法人熱中学園内)

公式サイト:https://shoku-no-necchu.com/

Mail to:hello@shoku-no-necchu.com

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