第48章 小谷あゆみさん流「 ‘歩く’ 食の熱中小学校」

「食の熱中小学校」で12月の授業担当の小谷あゆみさんは、兵庫県出身、高知県育ち。石川テレビ放送を経てフリーアナウンサー。野菜をつくる「ベジアナ」として、都会のベランダ菜園から農とつながる暮らしや産地に思いを馳せ「農」をリスペクトする食行動を提案している。

 生産者が作る生産物そのものの知見もさることながら、地方で伝統的に継続されてきた ‘人’ が作ってきた風景の美しさ、たくましさを都会地の皆さんに知ってもらいたいと思っている。

2021年、ひとよしくま熱中小学校で若宮正子さんと

 その心は、最近世界遺産農業遺産に指定された埼玉県武蔵野地区に関する『農政と共済』(全国農業共済協会発行)に掲載された記事に良くまとまっている。

 都市近郊の農業が、都市住民の参加によって、むしろ都市住民にメリットをもたらす双方向の関係。「食の熱中小学校」が、座学だけでなく生産地に行くオプショナルツアーをセットにしている思想と一致する。

 小谷あゆみさんと話していると、私と共通の感覚を持っていることがすごくよくわかる。

 小谷さんの ‘べジアナ’ の菜園も私の小さな畑も今年は熱波にさらされた。ずっと雨が降らない末に来た雨のありがたさ。雨に打たれて、濡れながら歓喜した。

 煙は、風を見せてくれるものだとか、これは日本ミツバチもそうなのだが、毎日足を運んで思いを馳せていれば自然の生き物は応えてくれる、とかとか。。

 農村を、人が営々と長い年月をかけて作ってきた風景として尊重し、時には汗をかきながら、あるいは寒い風にさらされながらも接してもらいたい。

‘参加する’ ことの大切さを教える伝道師として、 特に世界農業遺産は、持続可能な農業プロセスのシンボルだ。

埼玉県武蔵野地区の落ち葉掃きコンシェルジェ養成講座。
講演だけでなく体験で教える小谷あゆみさん(2列目左から4人目)

 小谷あゆみさんが力を注いでいる棚田学会での活動や農業遺産も、活動の継続は経済とのバランスの難しい道のりだ。

 公の資金によらず、都会も含めた人の時間とお金を呼び込んで持続可能性を追求していく時代に、毎年毎年へこたれずにチームを組むのは大変なことだ。

 武蔵野地区も世界遺産申請から7年目の認定だったが、写真にあるように、若い世代を含めて多様な世代が参加していることこそが鍵となるのではないだろうか。

 小谷あゆみさん、持続可能性社会のアドバイザーとして「食の熱中小学校」の授業に期待しています!

小谷あゆみさんのインタビュービデオはこちら:

東京で本年9月開校!「食の熱中小学校」のWebサイトはこちら

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