第37章 柏原光太郎さんは ‘ピカピカの小学校校長先生’ ―食を共に学び、食文化を遊ぼう―

 美食倶楽部「日本ガストロノミー協会」会長である柏原光太郎さんに、今年3月、北村貴さん(とかち熱中小学校副校長)の紹介でお会いした。 文芸春秋を定年退職される直前で、「ニッポン美食立国論」の出版作業中のお忙しい時だったが、まだまだ私の中でもビジョンが固まりきらない状態の「食の熱中小学校」の校長先生を引き受けていただいたのは本当にありがたかった。本命の方を最初に紹介いただき、快諾いただいた幸運で、北村貴さんには当分頭が上がらない。

2刷目に入った著書「ニッポン美食立国論」(講談社)

 柏原光太郎さんはずっと東京にお住まいだが、「文春マルシェ」の社内起業では地方にある ‘本物の食材’ を取り上げる等、「ニッポン美食立国論」でも地方にとても目が向いている。「とやまふるさと大使」でもある。

 今回インタビューをお願いして、柏原光太郎さんは3か月間ですっかり校長先生が板についたようで驚いた。ぜひインタビュービデオを視聴してほしい。

 特に、言葉の豊かさ。こんなに丁寧に、本質をやさしく話してくれるのが小学校の校長先生だ。

 これまでも、熱中小学校は生徒さんに食の関係者が多く、十勝では数年前から「食の熱中小学校」、宮崎県小林市では「奇跡の朝食プロジェクト」、富山県高岡市では「熱中食堂」など各地で様々な活動を行っていた。

 これを参考にして、東京に「食の熱中小学校」を開校し、首都圏の生徒さんを対象に、東京での座学、地方での生産者を訪ねるオプショナルツアーから構成された「関係人口創りの社会塾」、という構想が育っていき、内閣府の地方創生の事業としても採択された。

 既存の生産者との交流と同時に、熱中小学校の生徒さんが時間をかけて耕してきたものを大切に育ってゆく学校にもしていきたいものだ。

 山形県高畠町での耕作破棄地でのワイン用の葡萄栽培と、高畠ワイナリーさんとのワイン販売や、宮崎県小林市での生ハム製造など、まだ小規模ではあるが、首都圏の多様な人たちと交流することによって新しい展開が生まれ、日本のいろいろな場所でまた新しい挑戦が生まれることを期待したい。

 それには ‘7歳の目で世界を。。’ という熱中小学校の原点を忘れずに、柏原光太郎校長先生を応援していこう。

 インタビュービデオの最後に「食は人間の基礎、ピカピカの一年生として、生徒になるもよし、先生になるもよし、何かしら自分ができることをお互いに分かちあえるとよいですね」という謙虚な言葉が耳に残る。

柏原光太郎さんのインタビュービデオはこちら:

東京で本年9月開校!「食の熱中小学校」のWebサイトはこちら:

   

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