第28章 三宅琢さん「健康は、元気と病気のバランス」‘これでいいのだ’

 ‘ウェルネス’‘ウェルビーイング’の意味とは、三宅琢先生によれば:

 ウェルネス(wellness)とは「よりよく生きようとする生活態度」である。良好な状態である心身の健康や、生活環境、社会的環境を基盤とし、自分が望む生き方やライフスタイルデザインを確立させ、自己実現に至ることに重きを置く。

 その後、時代の流れや人々のライフスタイルの変容によって度重なる再解釈が行われ、少しずつ変化が生まれてきている。しかし、根源が「健康を手段として輝く人生を目指す」であることはいまだに変わっていない。

 和歌山県すさみ町で、この ‘ウェルネス’ 向上の新しいツーリズムの新規開発をご一緒させていただいた。昨年二度にわたり、首都圏の企業経営者、勤労者、を対象に自然豊かで、かつ ‘進取の精神を受け入れる’ すさみ町を舞台にして、首都圏では味わえない ‘自由に発想し、創造の喜びや苦しみを挑戦できる舞台’ を提供する新しいツーリズムを企画し、実行し、40人の参加があった。

 参加者はすさみ町のホテルで2泊3日を快適に生活し、三宅先生は東京からZOOMで授業をしていただいた。

ZOOMの授業、右上が現地参加者、下が三宅さん。睡眠の重要性について(ZOOM画面)
人生100年で、生命の長寿化で疾病とその対策も変化している(ZOOM画面)

 参加者は、三宅さんの授業が、〜すべき、〜こうあるべきではなく、楽しいから〜する、というモードが心と体の健康にとって必要であることに気づかされる。

 知っている、は、やっている、とイコールではない。正しいからやるのではなく、楽しいからやる。自然の中に身を置く、ということの大切さ、必要さに気づき、何もしていない時間というものをポジティブに捉えるようになったようだ。

 三宅さんが眼科医としての成長の過程で、ご自身がとても辛い体験をし、それをどうやって乗り越えたかというお話があり、参加者は身につまされると共に、創造的な仕事をしていくためのティップスが詰まった講義になって行った。

 三宅さんの授業を聞くのはこれで三度目になるのだが、一番印象に残っているのは、

「心はどこに存在するのか? 頭? 腹?」の設問に、三宅さんは「心は言葉の中にある」

という話だった。

 このインタビューをするまで、それは、他人の気持ちや立場をよく考えて、言葉を選ぶプロセスに心がある、という意味だと解釈していたのだが、三宅さんは「自分の本質は変わらないのだから、それを変える必要はない、言葉を変えるだけでいいのだ」と言い、「自分はそのままでいい、変える必要はないのだ」ということに重きを置くことが重要だと言う。

 天才バカボンの「これでいいのだ」を座右の言葉という三宅さん。

 比較的若いIT企業の産業医から、小中学校の先生のメンタル問題など、どんどん社会的な課題に挑戦する毎日が楽しくてしかたがない。朝起きたら ‘今日も良き日だ’ と頭脳に言い聞かせていく。

 そんな三宅さんに、私のような年寄り向けに「健康は、元気と病気のバランス」という耳寄りな話をうかがった。

 人生長くなって行けば、当然体はおかしくなっていき、病気にかかる。その時、心のはつらつさー ‘心の元気’ も増やしてバランスを保っていくようにすれば生き生きと生活ができる、というものだ。

 私は毎日習慣として、足指を回したり、‘ヨガレッチ’ や水浴びを9年ほど継続している。

 体のどこかで、癌細胞が生れては ‘心の元気で’ 押し戻す、というイメージは既に出来上がっているのだが、地方出張も多く、よく気の置けない仲間とお酒を飲みすぎるようなことも良くある。

 しかし、これもストレス解消の ‘心の友’ として、これでよいのだ!

三宅琢さんのインタビュービデオはこちら:

第28章 三宅琢さん「健康は、元気と病気のバランス」‘これでいいのだ’” に対して1件のコメントがあります。

  1. 小松弘明 より:

    明るい話でワクワクしながら動画を拝聴して、是非対面でお話しをお聞ききしたいと思いました。元気をいただける、熱中小学校の本質を見たような気がしました。

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