第6章 生涯 ‘自由’ 業の米山公啓さん―80歳にして医療を卒業し90歳にして介護からの自由を
東京都あきる野市にある米山医院で週4日は医者として、週末は出版、講演、などのお仕事をマルチでこなす ‘ダンディー’ 米山公啓さんの著書は280冊を超える!そうだ。
聖マリアンナ医科大学時代に、本を出版したいとすると、これは無理だといわれて奮起する。売れている本と証明するのに、出版社のターゲットの書店で自分の本を買いまくって、重版になる(今はPOSシステムが進んでいてこれはできないそうだ)。
ダメだといわれた時からが、面白い!と奮起してしまう。
神経内科や脳科学の専門家として、‘ボケない’‘脳の若返り’などの専門書を量産しながら、時代小説「見取医 独庵」シリーズを書き下ろす。
米山さんの結論は ‘ボケの予防法はない’。
ボケる人の特徴は、我儘、頑固、非社会性。
脳は筋肉の様に、使えば使うほど海馬の細胞が増えて活性化する。
そのためには新しいことをする。それを勤勉かつ面白がって続けること。
そうした授業を米山さんの著書、ちくま新書の「長生きの方法 ○と×」でひも解いてみよう。
数ある本の中でも、ちくま新書の「長生きの方法 ○と×」は ‘老いてからでも遅くない’ 読む価値のある書だ。
米山さんの ‘新しいこと’ とは新しいことをやってみようで、‘フェラーリを買って、乗ってみる’ ‘スタインウェイのピアノを買って弾いてみる’ といった一流度はハンパなく、真似することは難しいなと思いつつも、旧態以前の医学会、将来性のない出版界、さらには用意されたセリフをいかにも考えついたように言えるTVコメンテーターの世界など、米山さんがマルチで活躍してきた世界が全く変わらないことに幻滅していく。
そして71歳の今、高齢者の医療や介護の世界の革新が社会的にないまま、「病気を治す、予防するという先に何があるか?」について考えていく。
「60歳くらいまでは ‘予防の医学’、70代は ‘治療の医学’ でも、90歳になったら医学を卒業する」。
さらには100歳に向けて「日本の介護には ‘自由’ への尊厳が足りない、終わりは ‘何もしない淡々とした日を過ごす’、最後まで自分のために時間を使おう」と書いている。
病になるのは運命だが、どうして共存して ‘果てるまで’ 生きてゆくか?
米山さん、似たようにやりたいことばかりやってきた5年先輩の私として言えることは、「高齢になるにしたがって進行する病に勝る、元気のつく友に是非なっていただけませんか?」
ということでした。
米山公啓さんのビデオインタビューはこちら:
米山先生のお話で、認知症気味で糖尿の持病を持つ母との向き合い方がちょっと楽になりました。
そして、自身の将来についても道標となるような… 楽しいこと、良い仲間との出会いを、大事にしていきたいと思います。
以前から米山公啓さんの本は読んでいて、是非熱中小学校でお話を、お聞きしたいものです。高齢者になれば、人生を楽しまなくてはいけない鳥取思います。